2009年6月7日日曜日

会社を辞めるのは怖くない(幻冬舎)

著者:江上剛 出版社:幻冬舎 発行年:2007年
 「新しい人生に踏み出すことは怖くない」という著者の主張だが、これも人によりけりかもしれない。実際には会社を離れるとかなり大きなリスクを負うほか、国民年金や国民健康保険はやはり厚生年金や組合健康保険よりもやはり負担は重くなる。会社が平気で社員を放り出すから社員も会社を平気で放り出す…というわけには実際にはいかない。相当精神力がないとやはりフリーランスではやっていけないのだ。実生活では確かに肩書きは意味がないが、しかし社会生活では肩書きでいろいろなことが判断されることも多い。ただ自分の人生をトータルに考えて会社は人生の一部と考え、割り切った上で会社を利用していくのが一番正しい方法だと思う。ましてや入社して3年以内にすぐ会社を辞めるのはあまり賛成できない。年金は少なくとも23年間納付しないともらうことができないのだから、やはり年金を少しでも納付して、さらに仕事上のスキルを少しでも身につけるためにも会社にはいたほうがいい。ただ、どうしても倫理的に相容れない部分があるときなどにはやはり「怖くない」と思い込んで飛び出すしかないだろう。そうしたときに小説家として生活している著者のこの本は役にたつかもしれない。この本を読むのだとしたら、新入社員やスチャダラ社員ではなく、むしろワーカホリック的に働いて会社がなくなったらどうしよう…とやや過剰に会社に依存している人がベストだろう。もしタイトルだけで中身を読まないと安易な離職・転職につながるが、やはり著者の主張は理解できるが、実践するのであればさらにいろいろ調査が必要になってくると思う。個人のスキルにはやはり差異がある。フリーでやっていくのがベストな人もいれば「社畜」とよばれても、そのほうがベターな人間だって数多く存在する。

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