2009年6月14日日曜日

人生の軌道修正(新潮社)


著者:和田秀樹 出版社:新潮社 発行年:2009年 評価:☆☆☆☆
 いろいろ自己研鑽やスキルアップの本が多数発刊されているが個人的にはやはり和田秀樹氏の著作物が一番実行可能性があるしわかりやすい。「ありのままの自分」という森田療法の考え方やコフートの理論を取り入れながら日本人にカスタマイズしやすい形でいろいろな「考え方」を紹介してくれる。「やればできるは嘘」「テレビ的な頭の良さは間違い」とかなりズバズバ切り捨てて書かれているのだが、そうした結論に至るまでの理由は読んでみるとよくわかる。客観的な条件を加味しつつ、自分を総合的に分析して合理的な目標ラインを設定し、場合によっては目標ラインを下げるといった柔軟な対応も大人の宿命と感じる。要は無理をしないが、かといって努力しないわけでもないというきわめて現実的な解決策に至るのだが、こうした現実適応能力や検討能力こそが本当の大人には必要なのだとつくづく思う。小言をいってもしょうがない場合にはそれよりも別の次元での解決策を見出さなければならないわけで。

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