2009年6月20日土曜日

勝間和代の日本を変えよう(毎日新聞社)

著者:勝間和代 出版社:毎日新聞社 発行年:2008年
 「効率性」を追求しながらも社会貢献そのほかの理念も大事にする著者。今の時代を逼塞した時代ではなく何がおこるかわからない偶有性に満ちた世界と指摘。さらにワークライフバランスの重要性なども説明する。この著者の魅力は一定の仮説をそのまま実行に移してしまう点だろう。御茶ノ水駅そばの中型書店でPOPを見たが、おそらく著者御本人の書かれたPOPでこれもまた仮説を現実の場で検証している作業の一つではないだろうか。全5章の各章末には参考文献やURLも記載されており、読者それぞれが興味をもったテーマをさらに掘り下げていくことも可能なようになっている。最初に効率性やスキル取得といったテーマの書籍が売れてしまったのがこの著者の不幸で、おそらく日本社会全体を変えていこうというこうした本が本来は一番言いたかったことなのかもしれない。個々のスキルや効率性が高まっても社会全体が逼塞してしまえば意味がない。社会全体が活性化して、その中で個人のスキルアップなども意味をもってくるのだから、この書籍のテーマはまさしく個人の問題でもあると同時に、日本そのものの問題でもある。

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