2008年9月3日水曜日

資本主義2.0(講談社)

著者:島田裕己 水野和夫 出版社:講談社 発行年:2008年
評価:☆
 経済学者と宗教学者との対談集。やはりエコノミスト的な分析が最初は強く,水野和夫氏の発言が最初は多いが後半になってきてから島田氏の発言も増えてくる。企画はいいのだが,いまひとつかみ合わない部分もあり,新しい市場主義が始まったということは理解できてもそれと宗教学との分析がうまく理解できない。これは編集作業の未熟さがあると思う。もう少し丁寧に編集して,さらに必要があればポイントをついた編集部の補正質問,さらに専門用語の解説などがあってもいい。これではテープをそのまま起こして書籍にしたのと変わらず,ちょっと残念だ。丁寧に作れば丁寧な理解と共感がよせられた本かもしれないのに。結論はポランニーから「相互扶助」といったところまで話がいってしまうのだが,なんだか地に足がつかない感じだ。ただ一点,長期金利が2パーセントをここ数年超えていないという指摘が個人的には役に立ったが…。

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