2008年2月3日日曜日

手帳進化論

著者名;舘神龍彦 出版社;PHP新書 出版年;2007年
 いろいろな有名人が出版した手帳やメモ、そしてメモに関する一種のガイダンスブックなども含めて解説。現代の手帳の原型は1862年に福沢諭吉が渡欧。パリの文具店で購入して持ち帰ってきたのがはじめて日本に手帳が伝来した瞬間であるという。その17年度に「懐中日記」が発行されるがその間にあった1872年の日本への太政官布告の太陽暦の導入が手帳の歴史にとって重要と指摘している。懐中日記、そしてそれに続く軍隊手帳、さらには会社がかつて出していたいろいろな手帳に共通するものとして手帳が共同体の帰属感覚を生じさせるものであることを明らかにしていく。手帳のスクラップ機能やいろいろな付属物なども確かに面白いのだが、文化的・歴史的に日本の手帳ブームを解読しようとした新書として印象深い。

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