2008年2月23日土曜日

世界のとんでも法律集

著者名;盛田則夫 出版社;中央公論新社 出版年度;2007年
 正確には「法律」に限定されず条令や法典なども含む「一見奇想天外な法令」と著者のコメントが見開きで掲載されている。テレビの報道で一回見たことがあるトルクメニスタンのとんでもない気まぐれな法律がトップを飾り、インドの戸籍法やマヌ法典、イスラム法典まで内容は広がっていく。サウジアラビアではポケットモンスターのカードを持ち込んではいけないとか、犬とネコを一緒に飼ってはいけないというユタ州の州法とか非常に面白い。ただおそらく地域特有のなにかしらの必要性があって公布・施行されたものであろうことは察しがつくし、著者も解説を丁寧に加えている。インドの樹木婚という「ならわし」や2007年夏の時点で世界最速のネット回線を保有しているのは、スウェーデン在住の75歳の方で、1秒に40Gビットのやりとりができる超高速光ファイバーの保有者だとか、いろいろ法律に関係ない雑学まで紹介してくれているので、「法律」になじみが薄いとか「なじめない」という方々にもお勧め。もっとも、「法律」の難しさは文化や慣習にも関係があると同時に「社会システム」の問題もでてくるので、「面白い」とばかりもいえない側面があるのも事実。「法治国家だから…」「近代国家だから…」という「理屈」のほかにも難しい側面が多数あり、それは著者のコメントの端々からもかなり考えたのではなかろうか…という苦渋の表現があるようにも見受けられる。

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