2008年2月17日日曜日

ビジネス法則の落とし穴

著者名;東谷暁 出版社;学習研究社 出版年度;2007年
 ロングテール現象やウェブ2.0などの「ビジネス法則」が新しいものでもなく、過去のビジネス法則の焼き直しもしくは環境によっては成立しないことを実証・検討した新書。「先に市場を占有したものがその後も市場を占有しつづける」(マタイの法則)などの「半ば常識」となっている原則を検証。個人的にはランチェスター法則がスーパーマーケットの出店の背後にあったというくだりが面白かった。消費者の嗜好の固定の例としてキューピーマヨネーズがあげられているのも興味深い。結局、法則とはいっても最終的にはビジネス環境による、あるいは時代性による、ということが結論になるのだが、独占的ポジションにあるメーカーなどが凋落していく原理を推察していくのには非常に面白い新書サイズの経済書籍である。ニッチを占める企業がいかにして「勝利」していくのか、といった個人的な興味にも非常にヒントになった一冊だ。

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