2008年2月24日日曜日

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人

著者名;香山リカ 出版社;幻冬舎 出版年度;2006年
 「スピリチュアル」ももうブームが過ぎたといわれてからこの本を読む。きっかけはやはりあの有名スピリチュアル・カウンセラーE氏の「生きている人を霊視してしまった事件」から。80年代や90年代前半の心霊や祟りはかなり怪しい雰囲気が逆に「売り」だったがさすが21世紀。守護霊や前世などは日常用語としてかなりフランクな雰囲気で語られる舞台装置になっている。人間だれしも不可思議な体験をしたことはあるし、自分でもそういうことはないでもないが、しかしそれはあくまで個人の問題であって、それを他人に何か語ろうとか教えようとか、逆に他人から諭されよう…などとは大半の人間は思わないはずなのだが、ついこの間までそれがブームだったとは…。この本によれば「お金儲け」と「スピリチュアル」現象はリンクしており、「お金儲け」を肯定することでよりブームが加熱した面があるとか。確かに「お金儲けをすると業が深まる」とかかかれたりすると職業を持っている人には受け入れられないわけで。「だましてほしいわけではないがとにかく気分を明るくして」という時代の要請を香山リカ氏は指摘する。確かに明るい雰囲気になればポジティブな発想もわいてくるが、実際のところ、暗くて逃げ出したくてたまらない場面をいくつもいくつも見なくては成長することもできないわけで…。ま、私は「ハマらない人」に属するのだろう…。

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