2010年8月14日土曜日

日本のブルーオーシャン戦略(ファーストプレス)

著者:安部義彦 池上重輔 出版社:ファーストプレス 発行年:2008年 本体価格:2200円 評価:☆☆☆☆☆
 「ブルーオーシャン戦略」(ランダムハウス講談社)も名作だが、名作の名作たるゆえんで、なかなか日本人である自分の身近な生活に近づけて考えることができない。そこでブルーオーシャン戦略を日本企業にあてはめて考えていくとどうなるか…を解説してくれたのがこの本である。最近は書店ではこの2冊が並んで置かれているケースも多いが、非常に面白い。いくらブルーオーシャンでも需要数がある程度見込めなければ意味がなく、それは「マスをとる」というような表現でこの本は著述している。またバリューカーブや戦略キャンバスといったツールで、他社には追随できないブルーオーシャンを開拓していく道筋も解説してくれている。なかなか戦略を描写することができないのがブルーオーシャンのブルーオーシャンたるゆえんだが、何か一定の道筋に向けて努力していて、途中わき見をしてみるとそこに思いもかけない「ブルーオーシャンがあった」というのが実際のところだろうか。価格や販売促進など地道な努力は必要だが、そのさらに向こう側に突き抜けることができた企業の事例と解説が豊富。面白い。

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