リーマン・ブラザース不況がさらに日常生活のあちこちになげかける暗い影。それが著者がなづける「貧困ビジネス」である。貧困者を相手にさらに利益を搾取しようとするビジネスを総称するが、多重債務者に養子縁組をさせてさらに借りさせるビジネスや臓器売買、偽装結婚、二重派遣、食品偽装、そして貧困対応型セックスビジネスなど、「知恵」のまわる悪人たちが考え出した貧困ビジネスは行政の想定外の行動で営利を搾り取る。さらに行政の改正割賦販売法が施工された場合(2010年)、クレジット業者が登録制になるほかクレジット会社には個人消費者の与信能力の調査義務が課される。つまり与信能力がないとみなされた消費者はクレジットカードが使えなくなるわけだが…。これが民間消費を冷え込ませることになりはしないか、という著者の疑問は「もっとも」な懸念である。改正貸金業法も2010年6月より貸出上限金利が20・0パーセント、さらに貸し付け金額も収入の3分の1以下までとされる。これで問題がすべて解決すればいいのだが、おそらく著者が想定しているように、ヤミ金融からの借り入れをする消費者が急増するというリスクは高い。新書サイズではあるが内容は非常に濃く、しかも2009年末現在の世相をかなり克明にうつしとっている描写が多い。いくつかの事例は著者自身が取材にあたって価格の相場などを調べたものと思われるが、一読して「景気の余波」について考えてみるには絶好の書籍といえるだろう。また10年後、20年後に経済史の参考文献として利用できる内容でもある。
かなりいろいろな分野の書籍を読みますが、まずはビジネス関連書籍を中心に…なお個人的な☆印ですのであまり御参考にはなさらず…自分の好きな本を読んで好きなように活用していただく一助になればと思います。現在合計で2143冊の書籍についてアップロードしています_¢(0-0ヘ)。そろそろ「タグ」をまめにつけて整理していこうかな、と考えています。順不同ですがそのうちに分類基準を決めていきます【^_^】 「濫読」ではあるのですが、定期的に 1.民法・会社法 2.財務会計 3.近代経済学 4.流通・マーケティング 5.世界史関係 の書籍は読むようにしています。
2009年12月1日火曜日
貧困ビジネス(幻冬舎)
リーマン・ブラザース不況がさらに日常生活のあちこちになげかける暗い影。それが著者がなづける「貧困ビジネス」である。貧困者を相手にさらに利益を搾取しようとするビジネスを総称するが、多重債務者に養子縁組をさせてさらに借りさせるビジネスや臓器売買、偽装結婚、二重派遣、食品偽装、そして貧困対応型セックスビジネスなど、「知恵」のまわる悪人たちが考え出した貧困ビジネスは行政の想定外の行動で営利を搾り取る。さらに行政の改正割賦販売法が施工された場合(2010年)、クレジット業者が登録制になるほかクレジット会社には個人消費者の与信能力の調査義務が課される。つまり与信能力がないとみなされた消費者はクレジットカードが使えなくなるわけだが…。これが民間消費を冷え込ませることになりはしないか、という著者の疑問は「もっとも」な懸念である。改正貸金業法も2010年6月より貸出上限金利が20・0パーセント、さらに貸し付け金額も収入の3分の1以下までとされる。これで問題がすべて解決すればいいのだが、おそらく著者が想定しているように、ヤミ金融からの借り入れをする消費者が急増するというリスクは高い。新書サイズではあるが内容は非常に濃く、しかも2009年末現在の世相をかなり克明にうつしとっている描写が多い。いくつかの事例は著者自身が取材にあたって価格の相場などを調べたものと思われるが、一読して「景気の余波」について考えてみるには絶好の書籍といえるだろう。また10年後、20年後に経済史の参考文献として利用できる内容でもある。
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