2009年8月9日日曜日

SaaSで激変するソフトウェア・ビジネス(毎日コミュニケーションズ)

著者;城田真琴 出版社;毎日コミュニケーション 発行年:2007年
 セブンアンドワイで検索してみると、すでに廃刊とのこと。SaaSという言葉自体ようやく浸透してきたように思えるのに早くも絶版というのがこの時代の変化の激しさを物語る。アプリケーション・ホスティングとさして大きく変わるところがないようだが、すでに無意識のうちにウェブ上のアプリケーションで色々な操作を行っている。google documentsもそうだし、実は「履歴書メーカー」というウェブ上のコンテンツも利用していた。フォーマットに打ち込むだけですべて印刷までできてしまうという優れもので、こういうソフトウェア・サービスがパッケージ化されたらそれなりに値段もするだろうと思ったものだ。
 ただ本書でも言及されているのだが、これだけで売上をあげて利益をだすのは容易なことではない。サービス利用料で開発コストを回収していくという商品モデルだが、ウェブ・コンテンツで有料で、しかもそれなりにセキュリティも担保されてさらにバージョン・アップもしていくとなると、いくら小回りのきくベンチャー企業向けのビジネスとはいっても、資金回収にいきづまりを見せるのは目に見えている。パッケージ・ソフトの「箱」自体を量販店で見返ることも少なくなってきたが、もしこのSaaSに問題があるとすると、あんまり利益率が低くなったら、この市場に参入する企業もいなくなるであろう…という問題だ。全員がgoogleのようになれればまた別だが、おそらくコンテンツごとに細かく市場が分断化されて、さらにそれぞれの市場で独占もしくは寡占状態で推移していくことになると予想される。

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