2009年8月16日日曜日

特上カバチ!!2巻・16巻・17巻

原作:田島隆 漫画:東風隆広 出版社:講談社 発行年:2005年~2009年
 人気シリーズだが「巻」を順に追ってよむほどマメには読んでおらず、したがってこうしてバラバラに読むことになる。第2巻で離婚の慰謝料、第16巻で債権減殺、第17巻で労働法を扱う。いずれも弱者の視点からストーリーを描写した優れものだが、行政書士の職務としては法的許容範囲のギリギリのところだろうか。代理人業務までは認められていないので、おそらく漫画には描かれていないが、報酬はあくまで書類の代書のみということになるだろうが、これでこの行政書士事務所ははたしてどこまで経営として成立しうるのか…。ただ場面設定として地方都市が選ばれているのは興味深い。弁護士のほとんどが大都市圏内に事務所を開く関係で法律問題が発生しても行政書士や司法書士、社会保険労務士といったパラリーガルがどうしてもアドバイスやコンサルティングをしなくてはならない場面というのは実際ありうる。まさか借金問題で悩む債務者が田舎から大都市までの交通費と相談料を納付して、まめにかよう…というのも考えにくい。第17巻の孤独に働く中年の労働者と子供のエピソードが胸に痛い。この御時勢、この漫画のように深夜喫茶やネットカフェで生活をしのぐしかない方々も多数存在するはず…。

0 件のコメント: