2013年1月31日木曜日

フロイトで自己管理(角川書店)

著者:斎藤孝 出版社:角川書店 発行年:2008年 本体価格:705円
 19世紀の天才、しかも賛否両論ある心理学の巨人の「いいとこどり」をしていこうという本。おそらく著者の考えとしては、こういう形でフロイトの世界に入って、そこから原典に進む学生がいてもいい、というものかもしれない。ひとつのキーワードから独自の世界を織りなしていく手法が近代ではなく、なんとなくポストモダン。しかもさらっと書いてある内容のどれもがかなり実行するにあたってはレベルが高いものばかり。会議のさいにホワイトボードを用いるのはどこの会社でもやっていることだと思うが、それがいろいろな人との効果的なコミュニケーションにつながるかどうかはまた別の問題。「限定的ナルシズムのすすめ」など、やってみると多分難しいことではなかろうかと…。
 「繰り返し気持ちが向く対象」にセザンヌがでてきたりと、とにかく内容が盛りだくさん。ただ意味合いがじっくり心に伝わってくるのもまた著者独自の文体というかリズムのせいか。軽く読むとあっという間に読み終わるが、内容について考え出すとかなり深い。

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