2009年3月31日火曜日

常識として知っておきたい世界の三大宗教(河出書房新社)

著者:歴史の謎を探る会 出版社:河出書房新社 発行年:2005年 評価:☆☆☆☆
 三大宗教の「大まかな違い」について知りたいが、かといってあまり大きな専門書籍まで読みたくないなあ…という読者向けのかなりコンパクトに要約してくれた文庫本。この手の本の中ではかなり内容も優れており、年表、図式化さらには地図なども豊富に掲載されている。参考文献が220ページに掲載されているが、この本でもっと深く知りたい内容がでてくればこの参考文献にあたっていけばいいという道筋もできあがる。「ジハードとテロリズム」(PHP研究所)なども読んでみたくなったし、マホメッド自身が商人で、さらには商業や交易、貿易と通じてイスラム教が伝播していったプロセスというのも面白い。「ヨハネの黙示録」の扱いも適切で、新約聖書の中では唯一の預言書だが、ホラー映画などでその一文などがおどろおどろしく使われるのに対してかなり冷静な記述で好感が持てる。いわゆる外典については参考程度にしか記述されていないが、もしそれをやると「ダビンチコード」並みの厚さになってしまうので、キリスト教の紹介にしてもかなり分量も内容も適度といえるだろう。詳細はもちろん専門書籍だが、本当にハンディにいろいろ確認しようかな、というときには資料としても使える文庫本ではなかろうか。

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