2008年5月12日月曜日

財務会計入門第2版(中央経済社)

著者名:田中健二 出版社:中央経済社 発行年:2008年
評価:☆☆☆☆
 初版も購入してよんだが初版の発行は2007年6月。その後増刷されて新しい会計基準、とりわけ工事契約に関する会計基準や棚卸資産会計基準などの公表を受けての9ヵ月後の第2版出版ということになる。著者の良心と、最新の情報をわかりやすく取り込んで読者に提供しようという姿勢がみえて非常に好ましい。お値段は2,600円だが、それだけのお値打ちものといえる。退職給付会計基準や投資事業組合の連結会計などはほとんど入門ぶぶんだけであとは「専門書を参照してください」というコメントがついているのだが、読者は素直に専門書籍を参照したが方が確かに良い。個別財務諸表から連結財務諸表や財務分析まですべてをコンパクトに網羅しており、さらにどうしてそういう会計処理になるのか、といった点についてもわかりやすく著述されている。例題もついているので、日本語でわかりにくい場合には具体的に電卓を用意して例題を解いてみるのが効果的だろう。索引が7ページあるのも検索に非常に便利。大学などでの入門テキストとして想定された著書のようだが、社会人が会計学をブラッシュアップするのにも非常に便利な入門書。特に会計制度がめまぐるしく変化しているだけに第2版は第3版が刊行される前の現在(2008年時点)で「今どうなっているのか」を知るのに有用な本だろう。248ページというページ数も持ち歩きに便利で学生や社会人にとっては読みやすさが考慮されている。これが300ページを超えるとやはり相当に携帯して読むのには制約がともなうのでこのページ数を維持した今後の改訂バージョンの刊行が楽しみだ。

0 件のコメント: