2008年5月6日火曜日

情報は1冊のノートにまとめなさい(Nanaブックス)

著者名:奥野宣之 出版社:Nanaブックス 発行年:2008年 評価:☆☆☆☆☆
 ベストセラー街道まっしぐらの本書だが実際に買ってみて読んでみると理由がわかる。サブタイトルが「100円で作る万能情報整理ノート」となっているが、タイトルもサブタイトルも一種の「煽り文句」で実は筆者自身も何冊ものA6サイズのノートのアーカイブを構築している。内容はやはり売れるだけあって、意表をつくけれども「使えるテクニック」が満載。おそらく読者の全員がこの本書の内容をそのまま自分の生活に取り込むというケースは少ないと思うが、いろいろ応用を利かせて自分なりの情報データベースを構築するヒントがたくさん詰まっている。おそらく100円とか1冊とかそういうことではなくて、すでに既存のいろいろな方法の中からオリジナルの情報整理をしている人にとってさらにヒントを与えてくれる点がベストセラーにつながったのではないか。コンテンツの良さと表紙の面白さが書店で手に取る人の多さにもつながっているような気がする。最終的にはテキストファイルによる索引作りにまで至るのだが、そこまで真似することはなくてもたとえばwordよりもテキストファイルのほうが便利というあたりが、また応用が利くわけだし、文庫本サイズとA6サイズはほぼ同じ大きさという指摘がまた別のヒントにもつながる。自分としてはすでにA判型にほとんどの書類やメモ、プリントアウトをそろえる様にしていたが、あくまでもそれはA4サイズとA5サイズが中心でA6サイズまで小型化することまではこれまで考慮していなかった。が、この本を読んでA6サイズの活用とA7サイズのメモとの関係まで考慮するようになった(ロディアのナンバー11の大きさがちょうどA7サイズで超整理手帳のアイデアメモもA7サイズなので、そこまで考慮すれば超整理手帳とこの筆者の100円ノート方式はどこかでリンクできる。さらにロディアの変形ナンバー8サイズはちょうど大きさがA5サイズの縦半分なのでこれもどこかでリンクできる)。
 この文庫本サイズの活用という視点はとても重要な指摘で、たとえばロフトで主に販売されている「ほぼ日手帳」は文庫本サイズ(A6サイズ)。したがって、ほぼ日手帳の愛好者にとってもおそらくリンクできる部分はあるはずだ。個人的にはメモ関係についてはペンホルダーの有無を重視するようになってきているのでこの本の内容は実は使えないのだが、まったくこの筆者の意図する方向とは違う形で応用をいろいろ考えようとしている。筆者が便利と指摘しているテープ型のノリについても、筆者の意図とは違う形で(たとえばスクラップなど)で使おうと考えているし、仕事上ノリを使うことが多いので、スティック型などとはまた違う場面でテープ型を使うつもり。一つの「方式」からいろいろな形に発展できるという点で画期的な内容で、これは野口悠紀夫教授の「超整理法」を読んでからひさかたぶりの「目の覚める思い」がした本。読んで得する1,300円。

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