2012年10月28日日曜日

ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか(PHP研究所)

著者:中山淳雄 出版社:PHP研究所 発行年:2012年 本体価格:820円
 コンテンツビジネスについて調査中ということで、この本を読んでみた。mixiやグリーといったあたりで展開されているネットワーク系のゲームをソーシャルゲームと一般にいう。正直、ゲーム素材の部品はそれほどたいしたことはないのだが、特有のハードウェアに依存せず、しかも社交の場になるということで人気がでる。人気がでれば広告宣伝効果も大きくなる…。課金アイテムの購入も収益源になるが、わざわざそうしたアイテムを購入するのも「社交」の一部だと著者は分析する。
 統計が新書なのに明示されているほか、各章に「まとめ」が付属。さらに図版も多いので非常に読みやすい。著者の「イイタイコト」がわりと明確に伝わってくるというのは、やはり著者が経営コンサルタントということも影響しているか。消費活動の変化などもこの本でうっすらとみえてくる部分があり、自動車をあまり若い世代が消費・購入せず、無形の「商品」に消費が振り向けられている理由もみえてくる。「社交」「人間関係」の拡大という意味合いでいえば、「自動車」「麻雀」という昭和の商品は、あまり役にたたないのだ。内容が充実しているだけに新書ではなく、単行本の厚いページでもっと著者の持論を読みたい気がする。

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