2012年10月15日月曜日

編集ガール!(祥伝社)

著者:五十嵐貴久 出版社:祥伝社 発行年:2012年 本体価格:1600円
 あまり文藝モノには強くないというイメージの祥伝社から新刊発行された文藝モノ。しかも表紙からして20代20代しているイメージが強い上、表紙にはあまり使われないイエロー系統が強い色。さらには並製ではなく上製本で、しかもカバーの下の表紙には「これでもかっ」というぐらいの気合のはいったデザインが…。目次のデザインもかなりオシャレで、これ、若手のスタッフが意気投合して勢いで創った本なのかなあ…という印象が。
 経理部配属だったOLが突如ある企画書がもとで編集部に配属。しかも編集長としていきなり5人の部下をもつ。その部下の1人はしかも自分の彼氏だった…。という展開で、ある程度年齢がいった世代が読むと面はゆい…。が、専門違いの部署で、年齢も世代も性別も違う人種がコラボレーションする姿はやっぱり面白い。月刊誌で連載されていた関係もあるのか見せ場を作ろうとして登場人物が相互にからみあえない部分が見えるがこれはまあ仕方がない。「台割」も表紙を含めて132ページ(通常は共紙で計算して表1~4、本文128で作成)というのがやや特殊だがそれも些細なことか(箇条書きで書かずにむしろエクセルの表にすれば逆に面白かったかもしれないが)。ストーリー展開は個人的にはかなり物足りないが、造本設計やらデザインやらには相当作り手の意地というか勢いを感じる。文庫本化に際しては中身もさらに加筆してパワーアップを期待。

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