2011年4月16日土曜日

国会議員に立候補する(文藝春秋)

著者:若林亜紀 出版社:文藝春秋 発行年:2011年 本体価格:860円
何某政党から国政選挙に立候補したジャーナリストの新刊だが、すでにある大型書店では平積み。書店にはいって目についたのでそのまま衝動買いして読みきったが、いや、面白い。まずこれまで知っているようでしらなかった国政選挙の具体的な「経費」が克明に記載されており、最後のページには総務省指定様式で支出報告書まで掲載されている。求人のしかたから公職選挙法の具体的適用まで記録されており、読者は「自分だったらどうするか」と自問することができる。通常の読者であれば「まあ、選挙にでるのは無理かな」と考えるかもしれないが、確信犯的に次の衆議院選挙をめざす人にはかなり役立つ内容がテンコもり。やや生臭い政党政治の裏側もそれなりに書き込んであるが、まあこういう感じなんだろうな、と納得する部分も。ただこの何某政党の代表や事務局長はかなりあわてたことだろう。イメージが売りの新進政党だが、やってることはけっこうふるい。自民党や民主党などはもっと古い選挙をやっているのかもしれないが、この本を読むと「古くて意味がなくてもやらないと選挙に落ちる」という現実がある。これ、ルールを変えないとまた再発する問題でもある。公職選挙法の問題点あるいは今後の改正点でもある。


で、次の衆議院選挙は、原子力発電所や地震の被災者の方々の問題もあってやや「先送り」されるかもしれないが、いずれは実施される。このタイミングでの出版は、まあまあ次の衆議院選挙にあたり著者にとっては追い風だ。経費の工面が大変だとは思うが、この本はもっと売れて、平積みが増加すれば著者の知名度も高まるし、いくばくかの印税も選挙資金にあてることができる。となると当選の可能性はかなり上向きとみるべきだろう。自治労はこの著者の擁立を「是」とはしないだろうから、次の選挙は自由民主党かみんなの党か、あるいは地域政党か…といったところか。すでに一定の「同志」も確保されたようなので、案外、すらっと当選されてしまうかもしれない。そうすれば、次は「新人議員の見た永田町」をズバッと新書でレポしてほしいものである。


0 件のコメント: