2011年4月11日月曜日

数学で犯罪を解決する(ダイヤモンド社)

著者:キース・デブリン、ゲーリー・ローデン 出版社:ダイヤモンド社 発行年:2008年 本体価格:1900円 評価:☆☆☆☆☆
活字が大きい翻訳書で本体価格1900円はやや高いが、それでもかなり面白い。アメリカの連続ドラマ「numbers」を見た人であればもっと内容が楽しめる。朝の通勤時には必ず本を読むようにしているが、数学の本でここまで夢中になれる本は珍しい。この本を読んで「ベイズ統計」の意味がつかめたのも収穫。主観的な価値観で重み付けをして、それをデータが入るごとに修正していくという手法、考えてみれば当たり前のようでいて、そうした推計の方法にはまるで思いが及んでいなかったのだ。そのほか統計の確率論を法廷の証拠として採用することの是非や、ニューラルネットワーク、指紋照合の問題点、ネットワーク理論などをなんとほとんど数式を使わずにこの本では説明してしまう。そして確かに方程式を導出することはできないが、エッセンスは文章で理解できるようになっているというのがすごい。レファランスブックについては原著にはなかったそうだが、日本語訳では翻訳者がブックリストを紹介してくれている。また
「ナンバーズ」のシーズン3までの簡単なエピソード事典も掲載。

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