2009年7月26日日曜日

1分間をムダにしない技術(PHP研究所)

著者;和田秀樹 出版社;PHP研究所 発行年;2009年
 「目的」を明らかにして、目的に到達するために効率的な手法をいろいろと工夫してみる。その工夫の仕方を著者なりにまとめたものがこの新書ということになる。和田秀樹さんの大ファンで、一時別の著者の書籍集めに奔走したが、最近では再び新刊を手にするようになった。いろいろと日常生活で「大きな変化」が相次いだせいもあるが、日常生活でも非日常生活であっても「小さな工夫」の積み重ねが案外、大きな効果を生み出すものだな、と再認識したせいもある。仕事の順番を工夫してみるとか、質より量を重視するためにレコーディングしてみるとか、いずれも小さな工夫ではあるけれど、1年間をまめに過ごせばけっこう大きな成果に結実する。30代のときにはまさしく和田流で生活スタイルを統一してみたら、やはりそれなりの「結果」につながった。
 で、実際には「1分間」にあくせくする、という内容ではなく、小さなことをいかに大きなことに結びつけるかというテーマが背後に隠れており、けっして24時間毎日をギチギチ生きるという内容ではない。「楽しみの時間」を用意しておくなど、要は「工夫」をあれこれがあれこれ盛り込んであり、それを読者が読者なりにカスタマイズしていけばいいという内容になっている。こういう認知科学的なアプローチで説明され、しかも「自分自身はもともとルーズでダメだった」などと「告白」されてから説明されると、読者としてはすぐにも実践したくなるような構成になっている。面白いし、なおかつすぐに生活に取り込むことができるのがこの著者の作品に一貫しているメリットか。

0 件のコメント: