2009年4月29日水曜日

デッドライン仕事術(祥伝社)

著者:吉越浩一郎 出版社:祥伝社 発行年:2007年 評価:☆☆
 近所のセブンイレブンではずっとベストセラー街道を突っ走っていた新書。トリンプ・インターナショナルの元社長吉越氏の仕事術・仕事観を凝縮した一冊だ。効率性と時間を積で能率を示し、残業時間を少なくして集中させていくという方式は賛成。能力の差を効率で補うという考え方も悪くはないが、人によって取り入れることができる部分とできない部分がはっきりしているスキルも紹介されており、読者は自分自身で「これは使える」「これは使えない」と判断しながら使える部分を取り込んで業務に活用していくというのが正しいありかただろう。会議のあり方などについても説明されているが「情報の共有化」にメリットをもとめるのには賛成。なるべく情報の共有化を進めてコンセンサスを整えるというのがやはり会議の最大のメリットで、何か新しいコンセンサスを作り出すことよりもむしろまず情報の共有化を最優先すべきだろう。そうすれば時間も少なくてすむ。また「現場」を大事にするというその姿勢にも共感。どうしても紙のプリントアウトされたデータだけで現実を切り取って意思決定してしまいそうになるが、それだけでは企業の経営活動の全貌を把握することはできないだろう。MBAタイプの経営者ではなく現場たたき上げの経営者ならではの経営哲学はやはりそれなりに興味深い。

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