2009年4月12日日曜日

特上カバチ!!第6巻・第13巻・第14巻・第15巻

原作:田島 隆 漫画:東風孝広 出版社:講談社 発行年:2006年~2008年
 コミックもかつてほどではないが読む。とはいえシリーズを巻ごとに順序良く読むというよりはよくいく書店においてあれば買うという方法ではあるのだが。第6巻ではセクハラ騒動を扱う。セクハラ防止措置をめぐる行政書士の争いだが、「いかにもありそう」という泥沼からいかに解決へもっていくかが面白い。結局は問題意識の欠けていた「法律屋」にツケがまわることになるが…。第13巻と第14巻は成年任意後見人をめぐる騒動でこれも高齢社会の現在、さしせまった課題だ。これをすべて弁護士でまかなうのは無理だろうから行政書士の出番となるが、かなりの信用を顧客関係と築いていないとトラブルも多々発生するであろうことはこの漫画で想像がつく。そして第15巻では夫婦間の不貞行為と損害賠償。裁判になれば不貞の相手方は約300万円、和解で150万円が相場というのはこの漫画で知る。現在のウェブ社会の「影」を扱う漫画でもあるが、一応行政書士という職種を描いてはいるものの一種のコンサルタント的な役割とネゴシエーターとしての精神力のほうが重要かな、とも思う。有資格者になった主人公の「田村」だが、やっていることは行政書士になる前とさして変わりがない。行動範囲は広がり、スキルとしての法律知識も重要だが、巻が進行していくほど、法律以外のジャンルのスキル(メンタルな部分や倫理的な部分など)が重要になっていくのが印象深い。

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