2008年4月13日日曜日

プロフェッショナル仕事の流儀3(NHK出版)

茂木健一郎&NHK「プロフェッショナル」製作班=編 2006年発行
 人気番組の書籍化。「プロジェクトX」で取り上げられていた方々も素晴らしい業績を残されてきたが、どちらかというと高度経済成長の時代や大規模プロジェクトに関係する案件などが多く、「偉業」を遠くから見ている…といった印象も個人的にはあった。この「プロフェッショナル仕事の流儀」では、プロジェクトというよりも、目立たずどちらかといえば地味な仕事に取り組む職人肌の人間にその「流儀」を聞くといった面が強く、それぞれの仕事の「流儀」から自分なりにいろいろ汲みとめる部分が多くなっているように思う。この「3」では感染爆発を防ぐために働いているWHOメディカルオフィサー、天然の土にこだわる左官職人、寺子屋スタイルで英語を教える予備校の先生の3人がインタビューに答えている。「要求に応える」のではなく「要求を超える」ための左官のこだわり、「いったん好きになれば自分で走り出す」と自らの失敗を糧にしてさらに寺子屋授業を展開・発展させていく予備校の先生、個人的な過去のエピソードもまじえながらそれぞれ3人の「こだわり」が自分の日常生活とオーバーラップする。
「知識なんて全部なくなるんですよ。ただ、掃除をしたという事実は残るんです」という予備校の先生の言葉が重い。

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