2008年4月26日土曜日

やんごとなき姫君たちの結婚(角川書店)

筆者:桐生操 出版社:角川書店 発行年:2005年
 週刊新潮や女性セブンなど雑誌に筆者が書いた記事をもとにして書籍としてまとめたもの。モナコ王妃になったグレース・ケリーとその子供たちやダイアナ妃など歴史に限定されない「今」の結婚に秘められた政治的な思惑や駆け引きを紹介。モナコが古代ローマ帝国から現在のグリマルディ家の領土になるまでの歴史や、さらに王位継承者がでてこない場合にはフランスに統治されることになっているなど、「へええ」というようなエピソードが紹介されている。王侯貴族のハイライフスタイルの紹介としてオートクチュールの世界やオリエント急行の歴史、シャネルの5番の由来なども掲載。シャネルが自然の色を大事にした逸話として公園で拾った枯葉や木の実と同じ色を作ろうとしたというエピソードは興味深い。さらにシャネル・スーツの由来も…。ハッピーなお話よりは、正直、よんでいてほろにがいお話のほうが多い印象ではあるけれど、午後の暇な時間に王侯貴族の生活をかいまみることができる文庫本としては手軽に読める一冊。表紙のイラストがまたお洒落で、白を基調にして青で縁取りしているのが非常に個人的には好み。カバーイラストは「朝倉めぐみ」さんという方だが、文庫本の内容をこの表紙に凝縮したような優れたカバーだと思う。

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