2008年4月8日火曜日

やんごとなき姫君たちの饗宴(角川書店)


著者名;桐生操 出版社:角川書店 発行年:2005年
ヨーロッパの北部、特にイタリアの商人は地中海を舞台にして香辛料や宝石、絹織物などのあまりかさばらない奢侈品を貿易していたのに対して、北欧は木材、小麦、ビールなど重くてかさばる生活必需品を貿易していた…という指摘が24ページにあり、なるほどと思う。とりわけ香辛料の高価さは…というソロモン王のエピソードを紹介するくだりに書かれている指摘だが、アラブ人が貿易を独占したいため、シナモンなどが非常に入手しにくい状態だったようだ。食物に関するエピソードを集めた文庫本ということで、ルイ16世が処刑される当日に食べたメニューも紹介されている。カツレツ5枚、ローストチキン1切れ、葡萄酒3杯というものだったらしいが、国王にふさわしい最後の様子がつとに有名なルイ16世。処刑の日によく食欲がでたものだ…。さらに英国のティータイムの紹介やティータイムに「小さな花」を食卓においてみるといった提案なども紹介。グルメのみならず日常の食事も楽しくなるようなエピソードがいっぱい。巻末の参考文献一覧も見ていて楽しい。
 

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