2008年4月13日日曜日

佐藤可士和の超整理術(日本経済新聞社)


著者名:佐藤可士和 出版社:日本経済新聞社 発行年:2007年
 「整理法」関係の本としてはベストセラー街道を現在も驀進中。シンプルな白の装丁が逆に書店では目立つほどのシンプルな構成と読みやすい文字。そして視覚に訴える写真の挿入のバランスが見事な本。整理することで対象の本質をきちんと形にして生産性をあげる…という筆者の思想がそのまま本の造形に表現されているようだ。常にビジョンを目指すといったクリエイターの発想は、クリエイティビティがあまり要求されないように一見見える普通の業務などにもかなりの応用がきく考え方だと思われる。物事を俯瞰的にみつめ、「外側」から作品を見つめなおすという発想もまた業務への応用がかなりきく発想だし、「離見の見」といった過去の日本人の知恵とも相通ずるものが多分にあるように思う。情報をならべて視覚化して整理する。そうしたシンプルな方法で、物事の本質にせまる…という非常に難しいが理屈自体がシンプルにとぎすまされている点も、この本が多くの読者に支持された理由の一つに違いない。「整理」関係の本としては、最近読んだ本の中でもっとも「使える本」。

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