2009年5月3日日曜日

会社に人生を預けるな(光文社)

著者:勝間和代 出版社;光文社 発行年:2009年 評価:☆☆☆☆☆
 タイトルはあくまで著者のイイタイココトの半分だけを強調しているだけであって、リスク・アプローチが的確に出来ているのであれば会社に人生を預けたっていい…という結論にも当然なりうる。ただ、標準偏差(結果のバラツキ)をある程度個人で「なるべく」合理的に見積もって、最悪と最善のちょうどそのバランスを考えて行動していくように、そうすればもっと効率的に生活を送ることができるのではないか…という提案である。株式投資やFX投資にしても最悪と最善のその確率分布をある程度想定できていれば短期的な時価の変動にまどわされずにすむし、就職活動にしても労働にしても最悪の確率と最善の確率で一種の「期待値」さえしっかり見積もれてさえいればそれで楽ができる…という発想になる。
 ま、自分個人の場合もある程度リスクを見積もってきたつもりだったが、それでも現実がその想定の範囲外になることはあることはある。ただ最悪と最善の見積もり幅さえ自分なりに確定していれば気分的にも楽になる。心配しすぎても生活は辛いし、楽観的過ぎてもおそらく不意の災害には耐えられない。限界のある中である程度合理的にさえ行動できるのであればそれでいい…という筆者の割り切りは非常に好ましい。ただタイトルのつけ方はもう少し編集者の側で考えたほうがいいような気がする。サブタイトルのほうがむしろ内容を正確に表現しているような気がしないではない。新卒や社会人、学生にもお勧めの内容。

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