2009年5月3日日曜日

方向を見定める力(アクタスソリューション)

著者:フランクリン・コヴィ・ジャパン 出版社:アクタスソリューション 発行年:2008年 評価:☆☆☆
 「七つの習慣」といえば自己啓発本のいわば定番中の定番だが、あのぶあついページをいきなり読むのには非常に抵抗感がある。また自己啓発本については個人的にもかなり「用心」している部分があるので、いきなり原典を読むと「???」ということにもなりかねない。そこで7つをそれぞれ1つづつに分解して解説してくれた本がこの「7つの習慣」クイックマスター・シリーズ。いわば原典の「要約」といった感じだが、価格が定価480円と安いのも嬉しい。「習慣化」していいことをしていこうという趣旨は賛成。また「成長の連続体」というモデルが掲載されており、「目的を持ってはじめる」という第2の習慣について解説してくれている。依存的な生き方から自主性をもって意思決定をし、さらにミッション(というかなるべく長期的でしかも大きな目標)を定め、そして重要事項から片付けていく習慣をつけたところで、「自立」するわけだが、さらにこの7つの習慣では「自立」したあとに相互に助け合う…というチームワークまで盛り込んでいるところが興味深い。エゴイスティックなビジネスパーソンではなく、最終的には社会的にメリットを還元できるような高いレベルまでの自己啓発を考えているようだ。この本ではミッション・ステートメントの設定方法について著述されているのだが、フランクリン・コヴィの考え方に共鳴するかしないかは別として、少なくとも「大きな目標」から「小さな課題」までブレイクダウンしていくとともに、目先の目標〈年収とか利益とか)ではなく、自分にとって一番大事な目標に向かって邁進するべき…という示唆を得たのは大きい。自分のお葬式を想像してみる、という方法も確かにミッションを自覚するにはいい方法かもしれない。好き嫌いは読者によってでてくるとは思うが、この「第2の習慣」については納得できる部分が個人的には多かった。

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