
評価:☆☆☆☆☆
全部で700ページを超える大作だが,これが入門書の中の入門書ともいえる。社会人から学生まで幅広い読者層を念頭において著述されたものと思われ,第1版とはもうほとんど全部内容が異なるほど改訂の度に手が加えられ,この第7版でも会社法や棚卸資産会計基準,2007年8月におこなわれた東京合意など最新情報が盛り込まれている。おそらく現在の状況からすると来年には早くも第8版が出版されるかもしれないが,この2008年で入手できることのできる最新情報が盛り込まれていて700ページ。価格は3500円だが非常に安いといえる。豊富な企業の実際のデータをもとに繰り広げられる財務会計の世界の広がりはまさしく複式簿記の入門から財務データから読み取れる深い世界まで読者をいざなう。包括利益についてもわかりやすく説明がなされ,為替調整換算勘定がなぜゆえに重要性を帯びてきているのかも理解できる。個人的には企業結合・事業分離等の会計が非常に面白かったが,興味のある分野のどこから読んでも読書のメリットを享受できる名著といえるだろう。
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