著者:鹿島茂 出版社:集英社インターナショナル 発行年:2003年 本体価格:2800円 評価:☆☆☆☆☆陰謀情念のジョセフ・フーシュ、移り気情念のタレーラン、熱狂情念のbナポレオン。この3つの情念の交錯を軸として、フランス革命からワーテルローの戦いまでのフランスを切り取る。フランスの歴史を再構成して浮かび上がったのが、この3人というわけだが、幾たびもの危機を乗り越えてこの多難な時代を生き抜き、ヨーロッパ全体に影響を与えた3人であることには間違いない。メッテルニヒ(オーストリア)やアレクサンドル1世(ロシア)、マリー・ルイーズ、ルイ18世、オルレアン公などはやはり脇役になってしまう。すでに膨大な書籍がこの時代について書かれているが、それを参考としつつも「情念」という一面で切り取り、再編成した鹿島茂氏の手腕は見事。文庫本でもこの作品は読めるが、かなりぶあつい書籍なので単行本で読むのがベストだろう。サイケな感じのカバーも面白い。ヨーロッパの大陸封鎖などナポレオンのとった政策の細かな実態も調べ上げて描かれているので、受験生にも役立つ部分が大きいだろう。社会人にとっては10年、20年スパンで自分の人生を見ていくのにはかなりいい歴史参考書となるはずだ。





