2012年12月17日月曜日

むしろ暴落しそうな金融商品を買え!(幻冬舎)

著者:吉本佳生 出版社:幻冬舎 発行年:2012年 本体価格:820円
 投資といえば「長期投資・分散投資」とされてきたが、著者はこの本で、長期投資や分散投資の効果が薄れ、商品相場と株式相場の相関係数が強くなってくるなど分散投資効果が薄れてきていることを実証。以前は「仕組み債」について「デリバティブ汚染」(講談社)でいかに投資家にとって仕組み債が不利な金融商品かと証明した著者が、今度はこの本で長期投資・分散投資の有効性そのものを検証。感覚的にも納得できる話で、2008年のリーマンショックなどではあらゆる金融商品が一気に値を下げたことからすると、リスク分散というのは情報化や国際化が進化した現在、難しいのかもしれない。
 オプション取引の仕組みや為替相場の変動リスクなどについても解説されており、これから投資をしようとする人には有用な内容だろう。個人的には某都市銀行の度重なる営業にも負けず外貨建定期預金やらFXやらには1円たりとも投資しなかったが、これからさらに長期円高傾向にある現在、2009年や2010年に1年もの外貨建定期預金に預金した人はどれだけ為替差損をかぶったことやら…。

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