2011年3月13日日曜日

40歳からの知的生産術(筑摩書房)

著者:谷岡一郎 出版社:筑摩書房 発行年:2011年 本体価格:740円
大阪商業大学の学長にして賭博の天才でもある谷岡一郎氏の著作。最初のページから40ページまではやや退屈で、このあたりは著者特有の一種の情報処理技術みたいなお話。87ページあたりの「間違ってもいいから決断はすべし」というあたりから面白くなってくる。108ページあたりからは書籍の選び方や読み方、読んだ本の記録(フォローアップの重要性は他の著者も指摘する)、ファイリング方法、そして著者独自の2冊ノート方式だが1冊はアイデア用でもう1冊はテーマ用。一つのテーマについて断片的に書きちらしていくという方式だが、実はこれ、無意識のうちに自分もやっている。アイデアはロディアのメモなどに書き溜めておくが、他の1テーマに絞れるものは別のノートにまとめるようにしてある。また参考資料などをクリアファイルなどにまとめるレファレンスファイルという方式も非常に実践的。1冊の本を作るとすれば、良識ある編集者であれば100冊ぐらいは関係ある本を読むはず。そのコピーなどを1つのファイルにまとめておくのは持ち運びもできるので非常に便利だ。空間軸と時間軸のなるべく広い部分で普遍的に通じる文章を…という著者の倫理も説得力がある。特定の日本のみで通じる話なのかヨーロッパやアメリカでも、さらには10年前でも10年後でも通じる話なのかどうかは重要な問題だ。まずはアイデアノート、それからテーマノートというように徐々にノートを持ち歩く冊数を増やしていく…というのはけっこういいノウハウではないかと思う。

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