2011年3月13日日曜日

マグロ船仕事術(ダイヤモンド社)

著者:斉藤正明 出版社:ダイヤモンド社 発行年:2011年 本体価格:1,400円
著者は大学卒業後、「上司ににらまれて」マグロ船に乗せられた経験を持つ。水産学部卒業でマグロの保存用の薬液開発のためだったようだ。それが時間をへてこうして独特の仕事術の本に結実するわけだから、人生は本当にわからない。さて、内容は船底一枚で海と接し、何日も何日も密接な空間で男ばかりが接しているマグロ船が舞台。チームワークやリーダーシップがそこでいかにして発揮されたかという一種のルポ的要素を含んだビジネス本。怒鳴りつける船長のしたでは船の雰囲気が悪くなるとか、「あげーせえこげーせえ」と指示を出すと、人は働かなくなるとか、実践的な教訓がたくさん。立場を逆にしてみるとわかるのだが、自信をなくしたら人はポジティブには動かない。で、一定程度過剰にならない程度に自信をつけさせてあげないとマグロとの勝負には勝てないというわけだ。仕事ができすぎる人は尊敬されないというのもそうだよな、と思う。特に頭がむちゃくちゃいい人は「こんなこともわからないのか」という態度になりがちなのだが、それじゃあやはりモチベーションがわかない。結局のところ相手の人生を尊重し、自分の人生も尊重するということになるのだが、それが「出来ない人」っていうのも一定比率で存在するから株式会社という組織の運営は難しい。理解を相互にするってのは非常に難しい。だからこそ難しいというのは大前提で「理解しよう」とする努力を見せることが大事なのかな、とふと思う。

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