著者名;櫻井よしこ/和田秀樹 発行年(西暦);2001 出版社;PHP研究所
櫻井よしこ氏については「アナウンサー」という認識だったがこの書籍を読んで考えをあらためた。旧厚生省の薬害行政についてかなり深く取材し、その責任所在を追求すると同時に教育問題にも取り組んでいる。また広島、岡山といった地域教育や地域医療にもかなり詳細なデータを有しているようだ。現在は地方自治に中央省庁が権限を分散しようとしているが、国民医療費の増大などマクロな観点での日本経済はあまり明るい展望はない。
対談している二人はかなり過激な論調ではあるが、ルールのある社会や品位を大事にする思想はやはり重要だと思う。かつての左翼・右翼といった分類はあまり意味がない。そもそも明治時代には頭山満と中江兆民が親交していたわけで、「品位」「識見」とイデオロギーの対立はほとんど関係ないといってよいだろう。そこにあるのはやはり、新たな至上主義の高まりと「敗者復活戦」が用意されていないリストラ社会。そしてそうした厳しい社会に向かっているにもかかわらず運動会で順位もつけない平均化された公立教育だ。そこで勝ったり負けたりすることで「社会と折り合う」「仲間と折り合う」といった日本古来の「折り合う文化」を内面に取り入れていくことができると思うのだが。
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