著者名;松井茂記 発行年(西暦);2000 出版社;岩波書店
すでに情報公開法は行政改革委員会の審議をへて平成11年(2000年)に制定されている。公正で民主的な行政運営の確保、憲法21条の理念の具体化といったものが趣旨だが、この本はまだ地方自治体の情報開示制度が進んでいる状況で執筆されたものであり、内容は古い。正式名称は「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」。行政文書は情報公開法では、行政機関の職員が職務上作成し、または取得した文書・図画・電磁的記録であって行政組織が組織的に利用するものとされており、かなり強力な規定である。
ただ行政がここまで透明化を図る必要性がでてきたのは肥大化しすぎた行政国家では21世紀の日本が財政赤字で転覆しかねないという「お金」の問題があるためである。公正で公平な行政でないかぎり民間企業が投資意欲をもつわけがない。投資意欲や消費意欲がわかなければ税金も社会保険料も当然減収する。そしてさらに日本は国際的に二流国家への道を歩む…というのを避けるための手段と考えられる。結局は、情報データベースの共有化がなければ、民間部門も政府部門も共倒れになってしまう。ここにはイデオロギーはなく、「生きる方策」を模索する国家運営の強い危機感すら感じずにはいられない。
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