著者名 ;森永卓郎 発行年(西暦);2004 出版社;扶桑社
「勝ち組」「負け組」といった分類を大ヒットさせたのは酒井順子氏だが、影の主役に森永卓郎氏がいると思う。
市場経済の浸透と1パーセントの勝ち組と99パーセントの負け組が発生する社会を予測していた。そして現在日本経済はまさしくその道を歩んでいる。またイタリアのような財政赤字を抱えた国が立ち直った例として中小企業のブランド効果などもあげているが適切だろう。
「貧乏も美人も三日でなれる」といった言葉が非常にユニークだが、一番爆笑したのが「酒も会社もぬるめのほうがいい」という標語。マスマーケティングができない今、大ヒット商品というのはうまれにくい。IT企業が成長産業といわれているが、ちょっとまて。無形資産を販売して巨利を得るには有体資産あっての話。海外でうれない無形資産など成長率は実はしれているはず。にもかかわらず無形資産の価値ばかりが強調されているのが今の傾向だが、そんなに無形資産が重要で、しかも成長するのであれば、日本経済は確かにらくだが国民経済成長率が低下していけば、生活必需品にあたる食品・薬品といった業種以外はおそらく収益を下げるだろう。いくらパソコンが便利でも、ソフトウェアではくらしていけない。
そこで森永氏はいう。
「転職するなら夕陽の中を生きている会社」
ベンチャーというのは成功率も低い上に給料も低く「やりがい」という宗教的理念のもとにこきつかわれるが、確かに夕陽があたる斜陽産業というのは実はねらい目だ。その具体例としてあげられていたのが日本債券信用銀行。
「ゆったり平和」「高い給料」‥
実は私もありし日の日本債券信用銀行にいったことがあるが、確かに地上の楽園ともいえる会社だった。ではなぜ入行しなかったかというと「危ないから」。実際その後大量の不良債権と粉飾決算により市場から消えることになったが、ギリギリセーフで夕陽のあたる斜陽産業のうまみを味わった人間もそれなりにいるろう。人間関係やら給料やらは結局どこへいっても問題があるのであって、ある程度人生に時間がある場合には趣味とライフワークを充実させよう…著者の主張に全面的に賛成である。
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