2007年12月16日日曜日

知将の思考

著者名 ;江本孟紀 発行年(西暦);1999 出版社;東邦出版
 野村監督といえばやはり「凡才の努力」の術にたけている人だと思う。たいていの人間は人生のどこかで自分自身がさほどの存在でないことを自覚することになる。時期の違いはあれど、それは変わりがない。とはいえそこでただあきらめるのかあるいは一定の目標に向かって努力するのかは人によって異なってくる。やはりたいていの人間はそこで努力をあきらめるのだが、野村監督は「己自信を知る」ことでさらに「強み」を見出そうとする。これは野球の世界だけではなく、現実世界に相当に応用がきく場面だ。
 「可能性が高い」局面に「効果のある努力」をするというのは頭でわかっていてもなかなかできない。それを野村監督はID野球という言葉で言い換えた。これならばいまどきの人間にも「凡才」ということを自覚しつつ金銭を稼ぐ術を覚えさせることができる。
 思うに「捕手論」のほとんどは現在の管理職なりなんなりのコントロールに活用できるのではないか。よく部下のグチをいう管理職がいるがそれは最高管理職の責任、つまり採用した人間の問題であって、いかなりビジネスシーンであってもそれなりの人材活用方法というのはある。天才や秀才ばかりの集団であれば逆にだれでも管理はできるが、そうでないケースの方がおそらく管理職の手腕の見せ所になるだろう。「何か」をなしとげようと思えば、凡才ほど情報を収集し、努力を選択しつつ傾注する。それだけのことではあるがそうした基礎・基本ほど繰り返し覚えないと人間は動けない。
 不確実性が高い「野球」というゲームとビジネス。非常によく似ていると思う。

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