著者:香山リカ 出版社:講談社 発行年:2011年 本体価格:740円
おそらく福島の原始視力発電所の事故や東日本大震災が発生する3月11日までは、テーマは同一であったものの前書きとあとがきは違うゲラが入っていた可能性が高い。本紙部分の最初の16ページのうち、前書きは8ページ分、あとがきは後ろの32ページ分を差し替えれば緊急出版できる。時代の分析をするにあたり、2011年の3月11日は明らかに今後の日本の経済や文化のあり方までもが変わる大事件となる。著者は近代からポストモダンに切り替わるポイントを「ビッグピクチャー」にもとめているが、今後日本がかかえるビッグピクチャーは「復興」ということになるだろうか。もちろんこうしたビッグピクチャーがあれば、「不安」は軽減されていくはずなのだが。所得や貯蓄のグラフなど一定のデータに依拠しつつ、著者は現在の日本にかかえる「空気」を「細かな差異」にあるとみているようだ。これがポストモダンの特徴の一つともいえる。こうした細かな差異は大きな事件には一定程度無視ができるはずで、であればこそ迷いも不安もなくなるのであれば、それは一つの救いにもなりうる。ただ5月3日時点では福島県はもとよりその近隣、そして国会も行政も混乱がおさまる状況にはなっていない。今後ビッグピクチャーがあらわれるとすれば、政治の場ということにもなるが、本書で指摘されているような格差、複雑さ、不安定要素はまだしばらくは日本全体を覆うような予感がある。このデフレ現象も基本的に解消できるという見込みはない(電力料金があがるという報道もあるが、それとて一般物価指数にはたしてどこまで影響が出るか。もしかすると電力量の節減にともない、東京電力の収益はさらに落ち込む可能性だってあるのだから)。
おそらく福島の原始視力発電所の事故や東日本大震災が発生する3月11日までは、テーマは同一であったものの前書きとあとがきは違うゲラが入っていた可能性が高い。本紙部分の最初の16ページのうち、前書きは8ページ分、あとがきは後ろの32ページ分を差し替えれば緊急出版できる。時代の分析をするにあたり、2011年の3月11日は明らかに今後の日本の経済や文化のあり方までもが変わる大事件となる。著者は近代からポストモダンに切り替わるポイントを「ビッグピクチャー」にもとめているが、今後日本がかかえるビッグピクチャーは「復興」ということになるだろうか。もちろんこうしたビッグピクチャーがあれば、「不安」は軽減されていくはずなのだが。所得や貯蓄のグラフなど一定のデータに依拠しつつ、著者は現在の日本にかかえる「空気」を「細かな差異」にあるとみているようだ。これがポストモダンの特徴の一つともいえる。こうした細かな差異は大きな事件には一定程度無視ができるはずで、であればこそ迷いも不安もなくなるのであれば、それは一つの救いにもなりうる。ただ5月3日時点では福島県はもとよりその近隣、そして国会も行政も混乱がおさまる状況にはなっていない。今後ビッグピクチャーがあらわれるとすれば、政治の場ということにもなるが、本書で指摘されているような格差、複雑さ、不安定要素はまだしばらくは日本全体を覆うような予感がある。このデフレ現象も基本的に解消できるという見込みはない(電力料金があがるという報道もあるが、それとて一般物価指数にはたしてどこまで影響が出るか。もしかすると電力量の節減にともない、東京電力の収益はさらに落ち込む可能性だってあるのだから)。
