2007年12月17日月曜日

憲法の解説 四訂版

著者名;小栗 実 発行年(西暦);2004  出版社;一橋出版
 平和憲法の理念にもとづく「著述」がメインでしたがって、第9条などに大きくページがさかれている。憲法の全文を掲載し、それにコメントを付する形式の書籍だが、いささかイデオロギッシュな著述はみられるものの、具体的な事例と条文をかさねあわせることができるので憲法をめぐる問題をまとめるには非常に良い書籍。男女共同参画社会など今日的なテーマと条文を照らし合わせるので、高校生や法律初学者が手にするにはちょうど良いレベルの法律書である。
 おそらく一定のイデオロギーが反映されている本なので授業やゼミナールなどで取り扱う場合には、「考える」「討論する」題材として利用されることになるのだろう。現在憲法改正案が討議されつつあるが、ここまで社会契約説にねざした憲法を単純な議論で国会に提出すべきではなかろう。ジェンダーにしてもイラク問題にしても現状追認の形でいいのかどうかは、100年後の歴史によって裁かれる。そして主役は国民であり、改正するのもそうしないのも国民の総意によって決定されるべきだ。われわれの子孫に「法律論もろくに知らないで」と嘲笑される世代になるか、あるいは「高度な意思決定をした」と推定されるかはひとえに2005年現在の国民の行動次第であるのかもしれない。

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