2007年9月30日日曜日

整理学~忙しさからの解放~

著者名;加藤秀俊 発行年(西暦);1995  出版社;中央公論社
 いわば情報整理の名著とよばれている本。アイヌの口承文化からメモの重要性や「記憶の伝承」といった方向へテーマをもっていく格調の高さと文章の明晰さが素晴らしい。アナログ時代に執筆されたとは思えない情報整理の鋭さがあり、書類の規格化の重要性やカードによる情報の「視覚化」といった手法は非常に参考になる。最近流行の「見える化」というのもおそらくもともとはKJ法やこの「整理法」に由来するところが大きいだろうと思う。カードも実際に情報をいろいろ書き込んで、テーマごとに分別するということをやってみると、アイデアが確かにわいてくる。しかもこれはデジタル化された今も変わらない。結局、「考える」「発想する」のは人間なので、情報を詰め込んだHDDの前でいかにそれを組み立てていくのかは人間に「見える」ということが一番重要なのだと痛感させてくれる本。記録とはまさしく「記憶の物化」なのだ。

姫椿

著者名 ;浅田次郎 発行年(西暦);2003 出版社;文藝春秋
 「泣き」と「笑い」の名手とよばれる浅田次郎の短編集。主に「泣き」が中心だが「再会」という作品には一種のホラーのような「恐ろしさ」も。タイトルの「姫椿」は浅田次郎のかねてからの持論でもある「立ち直りの美学」がこめられた一編。不動産業を営んでいた高木は資金繰りにつまり、青山墓地付近で死のうとしてタクシーをおりたつ。そこにはまだ貧しい頃の自分を彷彿とさせる人々がまだ銭湯を中心にしっかり生きていた…ホラー短編のような「再会」は小田原駅が舞台。不倫の恋人と分かれて15年後、新幹線の中で九鬼はかねての恋人が幸せそうな人生を送っている様子をグリーン車で目撃する。そしてその後、京都方面に向かう新幹線の中でまたそれとは違う別の人間と再会をはたす…。「人生は偶然の集積」と書く浅田次郎は直木賞を受賞するまでの半生とはまた違う別の人生をもしかしてリアルに想像していたのかもしれない。ぞっとする、というのはちょっとした偶然で人生が180度違っている可能性をこの小説でリアルに表現された「怖さ」…

グッド・ラック

著者名 ;アレックス・ロビラ、フェルナンド・トリアス・デ・ベス 発行年(西暦); 2004  出版社;ポプラ社
 2004年に半年で45刷を重ねたベストセラーの赤表紙バージョン。もともとは緑の表紙だったが、冬を意識して赤い表紙のバージョンを出版したようだ。ポプラ社というと、「同族経営」に異をとなえたサラリーマン編集者がその後代表取締役となった出版界でも珍しい風通しの良さそうな児童文学専門の会社、というイメージが強いがこれは主にビジネスパーソン向けの一種の「自己啓発的な児童文学」。アーサー王伝説には必ず登場してくるマリーンがなぞなぞを出す。それに対応する対照的な二人の騎士の行動がストーリーになるのだが、なるほど大人に売れる理由もわかる。なにせ「生物学的に合理的」な行動を片方の騎士がとるので、我とわが身をふりかえるといろいろ反省すべき点が読んでいるうちにじわじわ滲み出してくるという構造…。作家と翻訳の腕もすごいが、これに目をつけた担当編集者の「感性」もすばらしい。「幸運のストーリーは偶然には訪れない」というちょっと残酷なフレーズも用意されていたりする。オカルト的な内容かと思っていたが、むしろ「科学的合理主義」に裏打ちされた「大人向け童話」と考えるべきなのだろう。

炊飯器とキーボード

著者名 ;岸本葉子 発行年(西暦);2001 出版社;講談社
 女流エッセイストのたくましい一年間の生活を独特の文章でつづる。「言い訳できぬミスにうちひしがれる」など日常の些細なことがこうして一冊の本となり、しかも男性読者の私にとっても面白いのだから、やはりエッセイストというのはちょっとやそっとじゃなれない職業なのだと思う。圧力鍋の講習会など御近所とのおつきあいもばっちしの筆者。今後の展開がさらに楽しみだ。

山中つよしのSONOKO式美肌ダイエット

著者名 ;山中つよし 発行年(西暦);2005  出版社;青春出版社
 ラジオのパーソナリティなどもつとめる山中つよしさんの主に女性向けの食事やダイエットの処方箋。塩分は意識して控えて油物はあまりとらず、そして駆るカルシウムは積極的にとる。となるとやはり魚介類や野菜、カルシウムといえば牛乳といったあたりはやはり体にいいようだ。タンパク質は一日70グラムが目安ということなので(アミノ酸にも分解されるので)毎日適度な補給が必要とのこと。また頭脳の主な栄養源はブドウ糖というのは前から知っていたので甘いものが必ずしもすべて悪いというわけでもなさそうだ。この手の本ももっと読んでおくべきなのだが、なかなかレジにはもって行きにくい…

文系のための使える理系思考術

著者名;和田秀樹 発行年(西暦);2007 出版社;PHP文庫
 エビデンス、根拠を重視してさらに数値的データを重視する。概算力や統計学の基礎を学び、さらに仮説を一定程度「実験」のように実行してみるという態度を推奨する。著者が前から推奨している「試行力」という概念もまたこの理系試行術の中に含まれるのだろう。
 情報をある程度そろえたら、それを体系的に理解して自分の中の知識とするとともにそれを整理・加工して、新たな創造物を作り上げる。言うのは簡単だがまずはあちこちに散乱している情報をある程度「規格化」してさらに、その組み合わせを合理的に考えていく手法がこれから求められる時代になるのだろう。そのためには最近よくいわれている「見える化」、つまり作業の進捗度は目標や課題設定などをグラフや図にまとめておくのが一番効果的のように思われる。

windows超高機能フリーウェア

著者名 ;サカサムック 発行年(西暦);2006 出版社;司書房
 DVD系統のフリーシェアでは明らかにDVDdecrypterが使いやすいがこの本にはトップで紹介。ただしISO系統の再生に使う場合のソフトウェアについてはいまひとつ。GOMPLAYERも使いやすい画像ソフトではないかと思う。ダウンロード系統のIrvineも個人的には使用はしているがいまひとつその便利さを実感したことがない。ダウンロードの裏技が若干紹介してあったのでそれを参考にしてもう一度挑戦する予定。携帯動画変換君については文句なし。操作性も機能も個人として使うのには充分だろう。ビジネスツールでは「使って住所録」、HDDメンテナンスでは「すっきりデフラグ」にやや興味あり。ドローソフトなどは今後アドビのフォトショップエレメントを購入する予定なのでそこでマルチメディアについては学習する予定。デジカメ画像管理の Irfanviewにはちょっと興味アリ。GIF画像のジューワというのが案外なくて困っていたのだがもしGIFまでビューワできるのであれば、インストールしたいところ。オープンオフィスなど簡単な文書ソフトや表計算ソフトなどは無料で使える時代に突入したので、今後、VISTAに搭載されているオフィス2007の使い心地などをユーザーから聞いてみてそれからVISTAに切り替えるという方法も当然あるだろうと思う。